2012年05月21日

浜野監督と「百合子、ダスヴィダーニャ」

浜野佐知監督が、昨日の初日上映後と、
今日午前上映後の2回に渡って舞台挨拶をして下さいました。
監督の話はとても面白く40分の時間があっと言うまに過ぎました。

「百合子、ダスヴィダーニャ」は、
明治生まれのロシア文学者湯浅芳子は、
「男が女を愛するように、女が女を愛したい」と公言して生き抜いた女性。
天才少女として鮮烈でデビューしたープロレタリア文学者の中條(後に宮本)百合子は、
アメリカ留学中に知り合ったペルシャ語研究家荒木茂と結婚していた。

そんな二人が出会い、百合子が芳子に恋していく。
後に二人でロシアに渡り7年間も暮らすことになるのだ。
(またその後に宮本顕治と結婚するのだが)
映画ではロシアに渡る前の期間を切り取って丁寧に美しく描いている。
二人はお互いを尊敬し合い高め合い、そして愛し合う。

男支配の古い慣習がまかり通っていた息の詰まるような時代に、
あえて挑戦していく二人。
浜野監督はこの潔さを描きたかったと話していました。

映画の中でレトロなきものが景色と共にとても映えていました。
きものの仕事をしているせいもあり素敵だなと心から思いました。

芳子役には新進俳優の菜菜葉、百合子役はミュージシャンの一十三十一、
大杉漣、吉行和子、大方斐紗子などの芸達者が脇を固めています。

物語としても面白いのはもちろんだか、
マイノリティや差別される側の視点で描いていることが
私たち女性の共感を誘うのでしょう。


舞台挨拶終了後、ロビーの中のカフェで監督を囲んで交流会を行ないました。
私は「新潟県女性海外派遣修了者の会」の名ばかり代表をしているのですが、
会員総会を相乗りでやりました。
飛び入り参加の方々もいて総勢16人位で、熱く語り合いました。

監督は、かっこよくて女が惚れてしまうようなタイプです。
ある意味湯浅芳子に共通している様な気がしました。

監督は今日も颯爽と現れ、颯爽と立ち去りました。
6月1日まで上映しています。
ぜひお越し下さい。






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2012年05月13日

「マリリン7日間の恋」

マリリン・モンローは、
映画界では神格化されるほど特別な存在となっていた。
誰でも魅了される容姿を持ちながら、
一方ではプライドが強く繊細で扱いにくい存在でもあった。

イギリスでは、名優ローレンス・オリヴィエの監督による撮影に参加。
ところが、オリヴィエと演技法で食い違い精神的に不安定になる。
撮影期間は遅れるばかりで、現場は爆発寸前だ。
そこで第三助監督として雑務係のコリン・クラークが見張り役として抜擢された。

モンローにとって若きコリンは、本当の気持ちを打ち開けることの出来た相手だった。
そこで過ごした7日間は、お互い何にも代え難いものとなったが・・・。

モンロー役のミシェル・ウイリアムズの演技が凄く、
本人より本人らしく見えてしまうほど。
アカデミー賞主演女優賞、ゴールデングローブ賞主演女優賞、など数々の賞を受賞している
オリヴィエ役のケネス・プラナーも見事であった。
イギリスのウィンザー城や庭園風景、またクラシックカーも楽しめた。

コリン・クラークが40年後に出版した実話を元に映画化したしたものである。

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posted by シネパラ at 18:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 館長 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月22日

「ヒミズ」頬を張られたような衝撃

ようやく園子温監督の「ヒミズ」の上映を始めました。

ヴェネチア国際映画祭では、上映後8分間も拍手が鳴り止まなかったという話題作です。
主役の染谷将太と二階堂ふみ体当たりの演技が評価され
最優秀新人俳優賞を二人とも受賞という栄誉を与えられました。

住田裕一と茶沢景子。
ふたりとも将来は「普通に生きること」を望むだけの中学3年生。

映画では、怒鳴る、殴るの場面の連続で、暴力が満ちていました。
歪んだ親子家族と、抱える大きな荷物に心が痛みます。
そんな出口のない絶望的なシーンが続きます。

しかし、懸命に住田を信じ支える茶沢の存在が、ほのかな未来を感じさせます。
そして突然、我々観客に襲いかかる感動の波!
涙が止らなかった。

誰でも心が爆発したくなることがある。
しかし解決していくすべがある。
それはは、"両親や友達から愛され、そして愛すること"
と私は思います。

この映画は、人間を信じ、立ち上がるきっかけを与えてくれます。

そして、津波に流された廃墟となった場面が、最初のシーンと後半に出て来ます。
日本に現在進行形で起きていることで、
監督は絶対映画に入れたいという強い思いで撮影を決行したとのことです。

住田ガンバレ!  若者ガンバレ!

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2012年04月18日

「サルトルとボーヴォワール 哲学と愛」

サルトルとボーヴォワールの生き方は昔から有名だった。
通常の結婚という形を取らない契約結婚を実践する哲学者夫妻の生き方は、
日本人にとってもセンセーショナルなことであった。

自由な生き方をしていると思われているフランスでさえも、
戦前までは、女は男によって支配され女になっていくという偽善的な倫理感に縛られていた。
二人は息が詰まるような夫婦関係から逃れて新しい生き方を実践していく。

お互い別の相手との関係も平気で持ったり、ボーヴォワールは女性とさえも関係を持つ。
特にサルトルの女癖の悪さは手がつけられない。
一方、お互いに嫉妬で苦しむが、二人で決めた契約だからと別れることができない。
結局二人は、一生お互いに認め合い尊敬しあい生きる。

この映画は、二人の深い愛情と関係性をフランスの香りとともに描いている。

終始ジャズが流れ、煙草の煙が漂い、コーヒーの香りまでしてきます。
そして、カラーなのにモノクロかと思わせる様なお洒落で上質な映画でした。

フランスのエスプリを充分堪能しました。



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posted by シネパラ at 22:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 館長 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月11日

「汽車はふたたび故郷へ」

旧ソ連時代、行きすぎた社会主義の犠牲となったのは、
共和国グルジアもそうであった。

グルジアで生まれ育ったオタール・イオセリアーニ監督が、
みずからの体験を描いた心が痛む詩情豊かな映画である。

主人公ニコは少年時代に、友達と真面目でふざけて映画を作ったいた。
青年時代は映画監督として生きる。
ところが脚本から、撮影中であっても、フィルムの編集の途中であっても、
当局から検閲が入り、言うことをきかないと上映禁止となる。
そして投獄され強く痛めつけられることも。
そのたびニコは魂を踏みつけられたような強い怒りを感じていた。

そして故郷グルジアから、フランスへ亡命する。
おじいさんからその場で貰った一張羅の上着が似合っていた。

パリに住み当局から監視されながらも、
協力者を得て映画を撮ることが出来た。
ところがフランスでさえも、
プロデューサーから規制を受け自由に映画を作る事が出来ない。

結局、傷心を抱えて故郷に帰ることになる。
それがタイトルの由来だ。
ペンキが剥げかかった錆びが出ている古い汽車に乗って帰っていく。
ふるさとは昔と変わらず美しいくところ。
家族はいつも優しい。
特におじいさんとの深い愛情でのやりとりがたまらない。

映画は我々が見たことのない外国の景色や文化、暮らしまで見せてくれる。
規制があり、発言や行動まで監視され、まともな食事も摂れない不自由な時代だか、
映画の中の子供たちは幸せそうな顔をしている。
大人は厳しい締め付けの中であっても、
自己を失わずひょうひようと日常を過ごしているさまが、
妙に印象深く、心に刻まれた。

強いウォッカと煙草を凄く好む、不屈の国民性を見た!


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2012年03月25日

「キツツキと雨」

「南極料理人」の沖田秀一監督の最新作です。

役所広司と小栗旬が魅力的なキャスティングです。
ゾンビ映画を撮りに来た気弱の監督と、
仕事ぶりを見ていられなくて協力することになった木こりのあったかい話です。

気弱で現場をまとめきれず困惑している若き監督。
それを見かねて、木こりの克彦がゾンビ役のエキストラの手配から撮影の進行まで手伝うことに。
バラバラの役者やスタッフ、そしてエキストラをまとめていきます。

二人の交流を通して映画作りの裏舞台も見せてくれて興味深く感じました。
クスクス笑いの場面も多いし、雨の中の哀れな格好の大勢のゾンビたちにも、
哀れながら大笑いしました。

全体的にまったりとゆっくりと進んでいく映画でした。
おかげて心が落ち着きました。



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2012年03月18日

「恋の罪」

園子温監督の「恋の罪」は衝撃的な映画で、コメントに困っています。

昼はエリート女性社員が、夜は渋谷区円山町のラブホテル街で男の相手を。
そこで起きた実際の殺人事件をヒントに描かれたオリジナル作品です。


猟奇殺人を追いかける女刑事(水野美紀)は、
内面的に深い何かに支配されている。
昼は大学教授で夜は別の顔のを持つ女性(富樫真)は、
辛い過去を引きずっている。
作家の夫に仕えるだけの平凡の主婦(神楽坂恵)は、
大きな不満を抑え込んで生きている。


この3人を巡って物語が進んでいくのです。
深みにはまっていき止められない状況に追い込まれる主婦の視点から始まり、
やがて他の二人が物語に巧妙に絡んできます。
かなり過激で直視できない場面がこれでもかと続きます。

暴力的で、セクシャリティで。
しかし監督にとっては意味のある重要なシーンだと思います。


でも最後まで引き付かれる妖しい魅力をこの映画に感じました。

後味はあまり良くありませんが、
旬の園子温監督作品です、ぜひご観下さい。


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posted by シネパラ at 17:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 館長 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月10日

館長が選ぶ2011年上映作品ベスト10

当館での2011年の上映作品数は71本でした。
1スクリーンをフルに回しました。
その内私が当劇場で観たのが50本です。
また、配給会社から送られてくる公開前作品もたくさん観ますし
他の劇場に出かけて観ることもあります。
その他TVでWOWOWやCSも観ますので、
いったい年間何本の映画を観ているのか数え切れないほどですね。

映画を観るために頑固に守っていることがあります。
それは、決して途中から観ない、日本語吹き替え作品は観ない、
作品の情報を取りすぎないという事です。(ネタバレ情報は見ません)
劇場でもTVでも同じ事です。


さて、私が勝手に苦しみながら選んだ2011年ベスト10を発表します。

  1.英国王のスピーチ
  2.一枚のハガキ
  3.奇跡
  4.マイ・バック・ページ
  5.闇の列車、光の旅
  6.ヘヴンズ・ストーリー
  7.海炭市叙景
  8.まほろ駅前多田便利軒
  9.エンディングノート
 10.チェルノブイリ・ハート
次点 未来を写した子どもたち


皆さまの「マイベストテン」はいかがだったでしょうか。
今年も良い映画にたくさん出会いたいと願っています。

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2012年03月04日

「幸せパズル」

2010年ベルリン国際映画祭コンペティション部門に選出された、
女性監督ナタリア・スミルノフのデビュー作品です。

「マチスモ」という言葉を知っていますか。
アルゼンチンの「男性優位主義」のことをいうのですが、
「マッチョ」といえば誰でも分りますね。

主人公の妻マリアは、夫に尽くし家族の中でもいつも支え役。
自分の意見など言わないし言えない平凡の主婦。

印象的な最初のシーン。
家族のために何種類もの食事を作り、料理を皿に取り分ける。
飲み物を用意し、夫の好物が切れていることへの叱責にも堪え、
息子たちのおかわりには快く応じる。
しかもその日は自分の誕生日で、
自分で作ったケーキに対してさえも家族は文句たらたらだ。
そしてひとりで後片付けをする。
ロングシーンとして見せてくれる。
これがマリアの日常なのだ。


マリアは退屈な中でふと手にしたジグゾーパズル。
バースデイプレゼントでおばさんからもらったものだ。
それがあっという間に完成。
急に興味が湧き、難しいものに挑戦するが、
すぐに1.000ピースをクリアし5.000ピースクリアするまで時間がかからなかった。

そこへ、ジグゾーパズルの大会のパートナーを探しているという広告を見て、
相手に会いに出かけた。
それが独身紳士のロベルトで、家族に嘘をつき週に2回パズルの大会のための練習に出かけた。
それがきっかけで「マチスモ」の思想で夫にすべて従ってきた自分を見つめ直す。
マリアはおどおどしながら、家庭以外の世界に踏み出して行くのです。


あとのストーリーは映画でご確認下さい。

ジグゾーパズルが懐かしく、やってみたくなりました。



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posted by シネパラ at 23:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 館長 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月26日

「酔いがさめたら、うちに帰ろう」上映会

西原理恵子の夫、戦場カメラマン鴨志田穣原作を映画化としたものです。

映画のタイトルからも分るように、アルコール依存症に苦しみ、
入退院を繰り返す。
離婚している妻と子供たち、母などそのたびに心配かける。
最後にはアルコール依存症専門の精神病院にまで入る。
しかし、その家族があきれ果てながらも優しく接し、
決して見捨てない関係がとても素敵でした。
浅野忠信、永作博美の演技力が引き立っていました。
そして何と言っても子供たちの存在が立ち直っていく情熱に繋がっています。
この家族愛に胸が詰まりました。

映画鑑賞後は、おいしいアリスの特製ケーキとコーヒーで
話が盛り上がりました。


このイベントは、十日町市男女共同参画推進事業による上映会で、
「十日町市女男ネットワーク」が受託したものです。
色々な団体で、啓発推進したいテーマがあれば企画や運営のお手伝いをいたします。
ぜひご相談下さい。
一緒に映画を観て共有し話し合う、とても喜ばれています。
以前老人介護をテーマにした映画を観てからの小グループでの話し合いの時、
涙を流しながら体験談をした方がたくさんおり、
同じ悩みを抱えた方の話聞き解放されたのだと感じました。



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posted by シネパラ at 18:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 館長 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする