今日は、春の爽やかさにぴったりな作品、
『チャーリーとパパの飛行機』をご紹介します。
身体の中を爽やかな風が通り抜ける感覚を覚えるこの作品。
誰もが体験したことがあるであろう父親との約束が
ある日突然叶わなくなってしまう、受け入れがたい現実・・・。
突如動き出す、パパから貰った飛行機の模型。
嬉しくなかったはずの飛行機は、いつしかチャーリーの
腕の中にあった。
(どうして僕が観られる映画を作らないの?)
『倦怠』『ロベルト・スッコ』の監督、セドリック・カーンが
自身の息子にこう言われ制作することになった本作品。
作中に出てくる父親はカーン本人の姿であり、
作品を通して子供たちへの想いが伝わってくる気がします。
この作品のキーポイントになる模型の飛行機。
劇中ではチャーリーを乗せて大空へ飛び出しますが、
現実では考えられません。こう言ってしまうと
夢がなくなってしまうかもしれませんが、
ファンタジー作品であっても、また他のどのジャンルの作品にしても
リアリティがあってこそ、観客は引き込まれるのだと思います。
では、飛行機は何のなのか?と自問しました。
子供だけが見ることのできる空想の世界?
しかし、周りの大人も飛行機が飛ぶのを目の当たりにしています。
では何故、模型の飛行機が飛ぶのか・・・。
これは私見なので、是非皆さんにも実際にご鑑賞いただいて
感じていただきたいのですが、飛行機は一つでありながら
一つの抽象ではないことに結論が達しました。
それは、チャーリーの飛行機、パパの飛行機、ママの飛行機、
そして周りの人々の飛行機。
パパの死とそれを突き付けられたチャーリー。子供が死を
どのように受け入れるのか、そしてその過程を周りの大人は
どのように見守るのか。チャーリーの心を飛行機へと
投影し、周りの大人がどのように見守っていくのかを
表現しているのだと思います。
美しいフランスの大自然の中、一人の少年が一回り成長する物語。
父親の死をきっかけに母子の絆は強く結ばれ、子供の成長を
肌で感じる母親。そして二人に残された父親の愛。
子供の目に映るファンタジー、そして大人にはノスタルジックを
植え付けてくれると思います。
心の中を吹き抜ける爽やかな風、作品を観終えた後に
感じてみては如何でしょうか。
また、この作品にはある有名映画にオマージュを捧げた
シークエンスがありますが、その映画が何なのか
探ってみるのも面白いかもしれません。
4月4日までの上映です。
皆様のご来場をお待ちしております。



