2012年07月11日

「国道20号線」「サウダーヂ」

リクエストが多かった富田克也監督の作品を2本上映しました。

「国道20号線」
ろくに働きもしないで、パチンコ屋通いとシンナー漬けの同棲カップルの日常を描く。
借金は嵩むし、危ない仕事にも手を出しても生活を変えようとは思わない。
シンナーを吸う場面を初めて見たが、
こちらまで酸欠になりそうなほどリアルな表現だったため、
気持ち悪くなってきた。
派手な柄物の上下の男とジャージの上下姿の女は、
どこに行くにも同じスタイルでゾーリを引きずって歩く。
部屋はゴミだらけ、パチンコへ行く以外はただ寝転んでいる。
そしてシンナーを吸う。
映画の中と分かっているのに、
こういう人間を見ているだけでこの無気力さにイライラしてくる。
これが監督の狙いだったら、まんまと引っかかってしまった映画である。

国道20号線上には、大型量販店、パチンコ屋、
サラ金のATMが多く立ち並び不夜城の様だ。
一方、中心商店街はシャッターが下り寂れている。
これが日本中の地方都市のありふれた風景だと監督は訴えた作品。
観ていて虚無感を抱かせられた。


「サウダーヂ」
タイトルの意味はポルトガル語で郷愁・憧憬などを意味する言葉という。
監督の出身地、甲府市にはブラジル人やタイ人、フィリピン人など
大勢の移民が住み着いている。
中でもブラジル人は、日系ブラジル人の3世4世が働く場所を求めて
移民として多く住んでいる。
そんな町に住む、土方をしている精司のと、ヒップポップに命をかけ土方の新米の猛。
映画はこの二人を中心に物語が展開していく。
二人とも現状の中で行き詰っているが、迷いながらも体一つで稼いでいる。
少しの収入はほとんどタイパブで使ってしまう。
精司は、エスティシャンの妻がいるのにタイ人のホステスに熱を上げている。
猛は、ヒップポップのライブでブラジル人と小競り合いとなり、
それがきっかけでブラジルのヒップポップグループを敵視するようになる。

3時間の長編なのでストーリーの紹介はこの辺にしておくが、
私たちにとって異質なことや、体験したことも見たこともないもの、
たとえば土木工事現場などに触れることができる。
ラストに、精司にとっても猛にとっても意外な結末が用意されていた。
猛には「どうして?」と問いたい。

富田監督により多様な視点を持てたことは大きな収穫でした。




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posted by シネパラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 企画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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